Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

覗いてみると、女のお菰だの、業病の乞食だの、尺八を持った骸骨みたいな菰僧だの、傀儡師だの、年老いた顔に白いものを塗っている辻君だの、何して喰べ何しに生きているのやら分らない浮浪人の徒が、仁王のいない仁王門の一廓を領して、火を焚いたり着物を干したり、寝そべったり、物を食ったり、宛として、一つの餓鬼国を作っている。

院の御所とか、六波羅の館とかまた平家の門葉の第宅には、夜となれば月、昼となれば花や紅葉、催馬楽の管絃の音に、美酒と、恋歌の女性が、平安の夢を趁って、戦いと戦いとの、一瞬の間を、あわただしく、享楽しているのであったが、一皮剥いた京洛の内部には、こうした、飢えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺、神社、辻堂、石垣、およそ屋根と壁の形さえあれば――そして住む主さえいなければ――巣を作って、虫螻のごとく、獣のごとく、生きていた。

(噂より、ひどい)吉次は、異臭に、顔をひそめながら、衝たれて、見ていた。

(――五穀にも、風土にも、また唐土の文化にも恵まれぬ奥州でさえ、こんな図はない)

憮然として、吉次は、見ていた。まざまざと、悪政の皮膚病がここにも膿を出しているのである。