Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
母の吉光の前と源三位頼政とは、おなじ族の出であるし、そのほか、この河原には、幾多の同血が、屍となっているのである。範宴は、復従兄弟にあたる義経の若くして死んだ姿をも一緒に思いうかべた。そして、そういう薄命に弄ばれてはならないと、わが子の未来を慮かって、自分を、僧院に入れた母や養父や、周囲の人々の気もちが、ここに立って、ひしとありがたく思いあわされてくるのでもあった。
その霜除けの囲いがなければ、自分とても、果たして、今日この成長があったかどうか疑わしい。自分の生命は、決して、自分の生命でない気がする。母のものであり同族のものであり、そして、何らかの使命をおびて、自身の肉体に課されているこの歳月ではあるまいか――などとも思われてくるのであった。
「…………」数珠が鳴った。性善坊も、瞑目していた。
すると、その二人のうしろを、さびしい跫音をしのばせて、通りぬけてゆく若い女があった。
二
ふと、振りかえって、女のうしろ姿を見送りながら、
「もし……」性善坊は、範宴の袂を、そっと引いた。
「――あの女房、泣いているではありませんか」
「町の者であろう」
「欄干へ寄って、考えこんでいます。