Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
だった。女のいない山から下りてみると、世間は女の国に見える。女だらけに見える。わずらわしいことにも思い、何か急に明るい気もちもして、自分の年頃に、おぼろな不安と温かさを醸していた。
「お師さま、弱りました」さっきから、女をなだめすかしていた性善坊は、持てあましたようにいった。
「どうしても、家へ帰らないというのです」範宴が今度は、
「宇治かの、おもとの家は」と訊いた。
「いやです。帰るくらいなら、一人で帰る」
「そういわないで、私たちも、宇治の町へ行く者です。送ってあげよう」
「くどい坊さんだね」
「私たちの使命ですから、気に食わないでも、ゆるして下さい。私は、おもとを幸福にしてあげたいのだ」
「笑わすよ、この人は。人間を幸福にしてやるなんて、そんな器用なまねが、人間にできるものか」
「私の力ではできません。仏の御力で――」
「その仏が、私は大嫌いだよ。――死にたいというのに、邪魔をするし、嫌いだというものを押しつけるし、お前たちは、人を不幸にするのが上手だよ」
「とにかく、歩きましょう」
「嫌――」
「おもとの望みのようにして上げたらよかろう」
「わたしの望みは、わたしの男を自分のものにすることだ」