Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「なぜ帰らない」
「でも私は、国助さんと、どんな苦労でもしたいのです」
「親の許さぬ男に?」
「かんにんして下さい」
「ならぬっ」と老人は一喝して、
「こんな男に、見込みはない。親のゆるさぬ男の家へ入りこんで、仲よくでも暮していることか、町の衆が、笑っている。嫌ならよし、親の威光でも、しょッ引いて行かねばならぬ」
憤怒して、老人は、娘の体を二、三尺ずるずると門の方へ引きずり出した。
皺の深い唇のまわりに、ばらっと、針のような無精髯の伸びているその老人の顔と、物言い振りを、それまでじっと傍観していた性善坊は、その時始めて口をひらいて、
「待て。――おぬしは、六条のお館に奉公していた箭四郎じゃないか」といった。
「げっ?」老人は開いた口をしばらくそのまま、
「…………」小皺の中の眼をこらして、いつまでもいつまでも性善坊の顔を見つめ、一転して、その側にきちんと坐っている範宴の姿を見て、
「や、や、や……」萱乃の襟がみから手を離して、そこへ、べたっと坐ってしまった。
「お――。……おぬしは元の侍従介?」
「介じゃよ」
「では、これにお在すのは……」
「わからぬか、あまりご成長あそばしたので、見違うたも無理じゃない。