Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
そして絶えず、死への誘惑に迷っている影が、朝麿にも、梢にも、見えるのだった。
範宴は、そのあぶない瀬戸ぎわにある二人の心を見ぬいて当惑した。沙門の身でなければ、当座の思案だけでもあるのであったが、きびしい山門のうちへ二人を連れてゆくわけにはゆかないし、このまま、この風の洩れる汚い板屋に寝かせておけば、弟の病勢がつのるのは眼にみえているし、その病気と、心の病気とは、何時、死を甘い夢のように追って、敢ない悔いを後に噛むことに立ちいたるかもわからない。
すると、外に、その時跫音がしてきた。ここの木賃の亭主であった。無遠慮に入口を開けて、
「沙門さん、おめえは、法隆寺で勉強している学生かい?」と訊くのであった。範宴は、自分の顔を見て問われたので、
「さようでございます」と答えると、亭主は、
「そして、この病人の兄弟ということだが、ほんとかね」
「はい」
「じゃあ、木賃の代だの、薬代だの、病人の借財は、もちろん、おぬしが払ってくれるだろうな」答えぬうちに、亭主は、ふところから書きつけたものを出して、範宴の前へ置くのであった。
八
もとより金などは持ちあわせていないけれど、弟の借財があるというならば、性善坊に相談したうえで、どうにでもしなければなるまいと、四、五日の猶予を頼むと、亭主は首を振って、