Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「和歌の話になると兄上は好きな道だし、大僧正も、わけてご熱心だから、つかまると、すぐには帰れまいて」宗業は、退屈のやり場をさがしながら、兄と、慈円僧正とが、世事を忘れて、風雅を談じている姿を、瞼にえがいた。
僧正はまだ若かったが、山門六十二世の座主であり、法性寺関白忠通の第三子で、月輪禅定兼実とは兄弟でもあるので、粟田口の僧正といえば、天台の法門にも、院や内裏の方面にも、格別な重さをもっていた。
案のじょう、兄は、入ったきりなかなか戻ってこなかった。魚紋の戯れにも見飽いて、宗業は、退屈な足を的なくそこらの草原に彷徨わせていた。
テーン、カーン、
鎚の音がする。
白い尾花の中に、屋根へ石を乗せた鍛冶小屋が見えた。
尾花の中から痩せ犬が、野鼠をくわえて駈けて行く。犬は、一軒の鍛冶の床下へもぐりこんで、わん! わん! 遠くから、宗業へ向って吠えるのだった。
この野原の部落には、三条小鍛冶という名工がひところ住んでいて、それから、ここの池の水が、刀を鍛つのによいというので、諸国から、刀鍛冶が集まって、いつのまにか、一つの鍛冶聚落ができていた。そして、下手くそな雑工までが、粟田口某だの、三条小鍛冶某だのと、銘を切って、六波羅武者に、売りつけていた。