Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

宴にとっては、今日の牡丹の一枝ほどうれしい贈り物はなかった。

しかし、それでもまだ禅閤は恩人に対しての誠意があらわしきれない気がするものと見えて、今日の書面では、ぜひ、青蓮院の僧正と共にいちど館へ遊びにきていただきたい、なにも、ご歓待はできないが、月輪の桜も今がさかり、月もこのごろは夜はわけても佳し、折から、めずらしい琵琶法師が難波から来て滞在しているから、平家の一曲をお耳に入れ、姫や自分からも、親しく、先ごろのお礼を申しのべたい、という懇切な招きなのであった。

範宴は、いずれ僧正と相談の上で――と返辞したが、心はむろん行くことに決めていた。

峰阿弥がたり

一

吉野の桜はもう散って吹雪になっていたが、月輪の里の八重桜は今が見ごろだった。

雪のように梢に積んだ厚ぼったい花は、黄昏と共に墨のように黒ずんでいたが、やがて宵月の影がその花の芯にしのび入るころになって、万朶の桜が、青銀色な光をもって、さわさわと乾いた音を風の中に揺り動かした。

「こよいの客人は、姫の生命の親じゃ、粗略がないように」と、月輪の館では、禅閤を初め、家族たちや召使の端までが、細かい気くばりをもって、門を清掃して、待っていた。