Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
残り惜しげな顔もある。また、なお何か、質疑をしている老人もあるし、
「ふん……」せせら笑って去る他宗の法師もあったりしたが、多くは、わらわらと、木の葉舞して、ふもとへ散った。
範綱と、宗業とが、そこへ降りてきたころには、六波羅大路から、志賀山道への並木へかけて、
「わあっ――」
「あれじゃ」人の波であった。埃がひどい。その中を、
「寄るなっ」
「凡下ども!」竹や、棒を持ったわらじばきの役人が、汗によごれながら、群衆を、叱ってゆく。
見ると――人間のつなみに押しもまれながら、一台の檻車が、ぐわらぐわらと窪の多い道を揺られてゆく。
曳くのは、まだらの牛、護るのは、眼をひからした刑吏と雑兵であった。
「文覚文覚」追っても、叱っても、群衆はついてゆくのである。その埃と、潮に巻きこまれて、範綱、宗業のふたりも、いつか、檻車のまぢかに押されて、共にあるいている。
丸太か石材でも運ぶような、ふつうの牛車のうえに、四方尺角ばかりの太柱をたて、あらい格子組に木材を横たえて、そのなかに、腕をしばられた文覚は、見世物の熊のように、乗せられているのだった。
よろめくので、彼は、脚をふんばって、突っ立っていた。