Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

彼こそは、と五山の大徳や一般の識者からも嘱目されておいで遊ばす大事なおん身です)周囲の者は極力そういって、静養をすすめる、まったくの病人と案じているらしい。そして、性善坊も覚明もともども憂わしげに朝夕彼の恢復を祈念しているのだった。範宴はそれを知るがためにいっそう自責の悶躁につつまれた、彼らに対してすら師として臨む資格はないように思われてくる、あらゆる周囲のものに対して範宴は今まったく裸身になって手をついてしまいたい。

(この身は偽瞞の塊りである)と。

白磁の壺に、牡丹は、青春の唇を割りかけている、先ごろ、月輪の姫から贈られた室咲のそれである。悩ましい蠱惑の微笑をこの花は朝に夕べに、夜半の枕へも、投げかけていた。

その笑みはまた、誰かの笑みとあたかも似ている、ふくらみかけた花弁の肌も香いも。

ゆうべもその香いにあくがれて自分は越ゆべからざる墻を越えた、一昨日の夜も越えた、世の中の人の誰も知らないことを自分はした、知る人は、姫と、姫の侍女の万野と、自分だけであった。

ちょうど曇っていた、星すらも眼をふさいでいた、闇の中に捨ててきた跫音は完全に消されている、誰も知ろうはずはないのだ、けれど待て、三人のほかに秘密を知った者はほんとうにいないのだろうか、あるような気がされてならない、どうしてもまだ他に何者かが一人