Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
誰が、こんなはした金を持ってこいといったか」
眼の前の物をつかんでそれへ叩きつけた。そして、おそろしく不機嫌な顔に、酒乱のような青すじを走らせて、
「やい、酒を酌げ」
「頭領、酒はもうそれだけです」
「酒もねえのか」いよいよ、苦りきって、
「なんてえ不景気なこった」と、つぶやいた。
戦がなくなってからは彼らには致命的な不況がやってきた。女をかどわかしたり民家を襲ったり、火を放けたりして、小さい仕事をしても、何十人もいる野盗の一族ではすぐ坐食してしまうのだった。それに都会の秩序がだんだんに整ってきて、六波羅の捕吏たちの追うこともきびしくなった。一頃ならば市中の塔や空寺でも堂々と住んでいられたものが、次第に洛外に追われて、その洛外にも安心しては棲めなかった。
「蜘蛛太だよ、開けてくれ」その時また、戸をたたく者があった。子分のうちの侏儒の蜘蛛太がどこからか帰ってきたのである。四郎は待ちかねていたように、
「はやく開けてやれ」といった。そして入って来た彼のすがたを見ると、
「蜘蛛か、どうだった?」
「親分、だめでした」蜘蛛太は悄れたが、
「その代りに、おもしろいことを聞き込んできましたぜ」