Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「能書はさしおいて、早くいえ」
「ほかじゃありませんが、いつか、六条の遊女町に火事のあった晩、頭領が目をつけてうまく手に入れかかった堂上の姫君があったでしょう」
「ウム、あの時の忌々しさは忘れねえ、あれは月輪の前関白の娘だった」
「こっちの仕事の邪魔をした奴は誰でしたっけ」
「聖光院範宴の弟子どもだ」
「頭領」蜘蛛太は、膝をにじり出して、
「その範宴のことですが」
「ふウム、範宴が、どうしたのか」四郎はあの時以来、彼に対する呪詛を忘れていなかった。利得の有無にかかわらず、折があったら返報してやるとは常に手下の者に洩らしていたことである。
ところが今――蜘蛛太のいうところによると、その範宴の身辺には昨年の夏ごろから大きな問題が起っている。それは月輪家の息女と彼との恋愛問題だというのである。範宴はごうごうたる世間の攻撃に怖れをなして叡山へ閉じこもり、一切世間人との交渉を断って、彼の師や彼の弟子や、また女の側の月輪家などが、必死になって、その問題の揉み消し運動やら善後の処置に狂奔しているらしいというのであった。
「どうです」蜘蛛太は鼻をうごめかして、
「こんなおもしろい聞き込みは近ごろありますまい。