Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「よいわ、どこぞ、人が足をふまぬところへ、そっと、埋めておけ」

「勿体ない、畜生じゃ」侍従介は、腹が癒えないように、まだ罵っていた。

「お館はおらるるか」

「はい、おいで遊ばします」

「取次いでくれい」

「どうぞ」と、熊手を引いて、先に立つ。わが家も同じようにしている館なので、わざと、式台にはかからずに、網代垣をめぐって、東の屋の苑へはいると、

「まあ」ゆくりなく、そこの南縁の陽だまりに、乳のみ児を抱いた吉光の前と、有範との夫婦が、むつまじく、児をあやして、くつろいでいた。

よく、女性の美は初産に高調するというが、吉光御前のこのごろのやつれあがりの面ざしや、姿は、真夏を越えた秋草の花のように、しなやかで、清楚で、常に見なれている二人にも、そのやかさが、時に、眩ゆくさえ見えた。

「おそろいで、ようこそお越し……。さ、こちらの室へ」

「十八公麿は」

「よう、眠っておりまする」

「どれどれ」何よりも先にというように、範綱は吉光の前の腕のうちをのぞきこむのであった。

珠が珠を産むとは、これをいうのではあるまいか。母の麗質をそのままにうけている。すやすやと小さい鼻腔からやすらかな呼吸をしている。