Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「綽空様はおられますか」と中をのぞいている。
頭からずぶ濡れになっているその男を、人々が見て、隅のほうから、
「おられるが、どなたじゃ」と、たずねた。
「性善坊でございます」と、その影はいう。
「おう」綽空はすぐ立ってゆこうとしたが、思いとまったように、法然のそばに坐ったまま、
「なんぞ、用か」といった。
「この暴風に、お変りもあらせずやと、お見舞いにうかがいました」
「よう来てくだされた。しかし、見るとおり、上人にも、お変りはない」すると他の人々が、
「町はどうですか」と、訊いた。
「いやもうひどい有様です。ここへ来る間にも、塔の仆れたのを見ました。門や築地の壊された所は限りもありません。粟田の辻のあの大きな銀杏の樹すら折れていました」
二
このひどい大風が明け方までも吹きつづけたら京の町はどうなることか。
丸木組みのいたって粗末なこの吉水禅房の道場などは、ひとたまりもあるまいと、人々は、上人のまわりに固唾をのんでいた。危険を冒して、その中を見舞いに来た性善坊はやがて、
「では、お暇いたします」ざぶざぶと、ふたたび豪雨の闇の中へ帰って行った。
上人は、自分の側から立たない綽空の顔を見て、