Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「頭領、熱いのを、どうです」酒を暖めて、一人がいう。

「今夜は、酒はいくらでもある」と、べつな一人が、このよき夜を謳歌すると、

「ただ、不足は、女がねえことだ」誰かが答える。

「ぜいたくをいうな。きのうまでは、酒どころじゃねえ。近江くんだりまで仕事に行って、その仕事は物にならず、地武士には追んまわされ、警吏には脅かされ、そのうえ逃げこんだ三井寺の法師武者にゃ大薙刀をお見舞いされて、二日二晩、食うや食わずで、ようやく生命びろいをしてきたところじゃねえか。それを思えば、こん夜の酒は、どうせ百姓家から盗みだした地酒で味はわるいが、時にとっての天禄の美味っていうやつだ」

「理窟はよせ」と、かたわらの者が叱った。

もう少しろれつの廻らないのが、

「そうだ、俺ッちにゃ、理くつは禁もつだよ。その日その日を、こうやって、暢気にたのしく、してえ三昧に送れりゃあそれでいいんだ。なあ、頭領、そうじゃありませんか」

天城四郎は火より赤い顔をして、大きな酒の息を、氷のような月へ吐いて、

「芸なしめ、呑むと、寝言ばかり吐ざいている。そんなこたあ、泥棒商売に入る時になぜ考えておかなかったのだ。