Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「誰に」
「九条殿へ、あの月輪殿へ」
「月輪殿へさしあたって書状をもって申しあげる用もないが」
「あるっ」
「…………」
「綽空、おぬしは、世間をうまく誤魔化したつもりだろうが、この四郎は騙されぬぞ。月輪の姫とのことで、ぼろを出すと叡山に逃げこみ、叡山もあやうくなると吉水へかくれ、そろそろ、世間のうわさが下火になったと思うと、またぞろ、岡崎の一ツ家に移っている。なかなかうまい! だが四郎の眼力はそんな魔術にはかからぬぞ」
「何をいっているのか、綽空には一向にわからぬが」
「よしっ、その面の皮をひん剥いてやるから待て。蜘蛛太、てめえの見たことを、この売僧に話してやれ」
「へい」待ち構えていたように、蜘蛛太は手下の中から怪異な顔を出した。
六
そこで蜘蛛太が頭領の四郎にかわって野良犬がほえるようにいうことを聞くと、この草庵へ毎日のように通ってくる女がある、のみならず女は、綽空の留守には、洗い物をしたり夜の支度までして帰る。その帰るところを尾行てみると、九条の月輪殿のお館で、女は、姫の侍女の万野だということまで洗ってあるのだ――といって力み返るのだった。
「おぬしと、姫とが、きれいに手の断れたものなら、姫の侍女が来て水仕業の世話まで焼くはずはねえ。