Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
にもひどく甘くなってきて、自分でも、
(わしは子煩悩でならぬ)と、人にも語るほどだった。わけても玉日は、いちばんの末娘ではあり、他の姉はみな嫁ぐべき所を得ているのに、この姫だけが、とかく幾ら縁談があっても、
(まだ――)とか、
(あの一族の家では)とか、容易に嫁ぐといわないでもう世間なみからいえば、遅い婚期になっているのでもあるが、せめてこの姫一人だけは、老いの身の側から離したくない気もするしで、盲愛といってもよいほど、父の禅閤の君は、この姫が、可憐しくて可愛くてならないのであった。
六
「なんぞ、食べとうないか」父の君が、やがていう。
姫は、水藻の中の月のような白い顔と黒髪とを、かすかに、横に振るだけである。
「食べんでは、人間、生きておられぬぞ」
「…………」
「若い身で、なんじゃ」そっと――病人の感傷に気がねしつつ――叱るのである。
「女子の楽しみ、人と生れたよろこび、すべての春は、これからではないか」
「…………」
「気をとりなおして、すこし、食べたい物でも考えたがよい。医薬士もいうた、お汝のからだには、どこというて、病はないのじゃと。ただ、心がわずろうているのじゃと」