Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「いったい、お身があまりに、玉日を、末姫じゃと思うて、可愛がりすぎるゆえ、こんなことも起るのじゃ」
「断念されい。皆が、この通りに不承知なもの――」と、誰ひとり、月輪殿の心を酌んで、それについて、方法なり策なりを考えようとする者さえなかった。
禅閤は、絶えず、沈黙して、親戚たちの詰問を浴びているほかなかった。自分から招いて相談を持ち出したことであるが、
「月輪殿も、少々、お年を召されたらしい。こんな、明白な分別がつかぬというのは、お年のせいじゃろう」などと親類たちから笑われたに過ぎなかった。
また、それに対して、禅閤自身も、押しきるだけの自信がなかった。親類たちの言葉はみな彼自身が考えもし悶えてもいることなのである。そして、自分の常識が、やはり大勢の者の常識であることが分ると、彼はなおさら、手も足も出なくなってしまうのだ。
「断じて、さような考えは、おすてなさるがよい。なあに、姫の病気なども、若いうちにはありがちなこと。ほかに、よい聟ができれば、忘れてしまうものじゃ」親戚たちは、釘を打つように、そういって立ち帰った。
当惑の闇が、幾日も月輪殿の胸から晴れなかった。