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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

上人が、重ねて、

「そういう意志はないか」と訊くと、綽空は初めて身を上げて――そして再び幾分か俯目になって、

「望んでおります」と、答えた。

案外にも平常の声であった。

「うむ――」と、大きく息を内へ引くように上人が頷かれたので、弟子たちは、いよいよ、この師弟の心の底になにがあるのかと思い惑った。

「では、こちらのご意中を伝えるが、おん身に、娶わせたい女性というのは、月輪殿の末姫の玉日とよばるるお方じゃという。綽空には、かねて、存じおろうと思うが……。異存あるか、ないか」綽空は、体がふるえた。

わっと、泣いて、師の上人へも、姫の父なる人へも、素裸な自分というものを目に見せてしまいたかった。そのうえで、今日までの、また今日以後の、自己の信行を語りたかった。しかしさすがに、こみあげる感激に、眸が熱くなってしまうし、胸いっぱいな歓喜と同時に、三界の大世間を、一人の肩へ乗せて立つような重任も感じてくるし、しばらくは、答えることばが出なかった。

しかし、かねてより自分から望んで、やむにもやまれなかった大誓願である。綽空は、毅然と、胸を正していった。

「ありがとう存じまする。