Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
忌々しげに、弁円は、小石をつかんで、叩きつけた。
その昔の寿童丸――成田兵衛の子の成れの果て、播磨房弁円は、自分の幼少と、綽空の幼少時代とを、瞼に描き較べていた。
二十幾年の歳月が経っている――。綽空が、十八公麿とよばれ、自分が寿童丸といわれたころは、共に、一つ学舎へ通っていたものである。そして、彼が落魄れ公卿の子と嗤われ、ガタガタ牛車で日野の学舎へ通う時、自分は時めく平相国の家人の嫡子として、多くの侍を供につれ、美々しい牛車に鞭打たせて、日ごとに、学舎の門で誇ったことも覚えている。
それからは、平家の衰運と共に、すべてが、逆になってしまった。彼が、一歩ごとに、名と実力を蓄えてゆくのにひきかえて、自分は、どうだったか、自分の辿ってきた道と、現在のこの姿は――
弁円は、とても、眠られるどころではない瞳をあげて、強い眉毛の蔭から、星を仰いだ。
「俺は負けた、形において。……しかしそれは俺が懶惰だからではないぞ、俺は、この通り、修行しているのだ。しかし、俺には、あいつのような世渡りのお上手や才気がないためだ。この際、綽空の奴を懲らしてやることは、仏界の粛正になる、彼奴のような小才子が、権門にとり入り、戒律を紊し、世に悪風を撒くのを、俺は、黙視していられない立場にあるのだ。