Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
わけても播磨房弁円は、
「末法だ、末法だ」と、人に会えば、必ずその人に向って、綽空のことを、悪しざまにいい、もしその者が綽空の弁護でもすれば、敵のように喰ってかかって、その者が、
「まったくだ! まったく貴公のいう通りだ」
と、うなずかなければ、承知しなかった。
今日も――輦の軌に轢かれて、尻尾を半分失った例の大犬の黒をつれて、五条の裏町のきたない酒売店の土間で、弁円が、そこの亭主を相手に、頻りと、悲憤をもらしていると、隅のほうで、さっきから黙ってちびりちびり飲んでいた野武士ていの男が、
「修験者どの」と、呼びかけた。そして、
「なかなか、貴公はおもしろいことをいう男だ、一杯献じよう」と、杯をほして、彼の方へつきだした。
三
「修験者は、どこの方人か」
「聖護院の御内」と、弁円は一語で答えて、
「――貴公は」
「浪人だ」
「平家の落ちぶれか」
「いや、源氏の――」
「源氏の侍が、浪人しているのはおかしいではないか。今しも、源氏の全盛は、ひところの平氏に取ってかわっておる」と、酒杯を返して、じっと、相手の顔を見すえた。その浪人というのは、天城四郎であった。
「武家奉公は、もう飽いた。