Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「忘れるなよ」
「その広言を」
「後日来るぞっ――。それまで、そこの死骸は、あずけておくぞ」こう云い捨てて、わらわら、後も見ずに逃げ去った。
「卑怯っ」覚明は、満足しない。
「返せっ、この死骸、持って失せろっ」呼びかけながら、一町ほど追いかけて行った。
しかし、逃げ足の早い敵を、遠く見失うと、彼もまた、一時の激発から醒めて立ちどまった。そして、血しおのついている薙刀――手――法衣の袂を――急に浅ましい顔をしてながめた。
「あ……たいへんなことをしてしまった」
覚明は、自分の行為に、戦慄をおぼえた。いや、この結果として自分のうける罪の裁きよりは――師の善信にかかる禍いを考えて、
(しまった……)と、心で叫ばないではいられなかった。
そう気がつくと、一時も、手にしていられない気持がして、彼は血によごれた薙刀を、草むらへ抛り捨てた。そして、草庵のほうへ戻りかけたが、急に、何か戻るのが怖ろしくなって、少年のように、樹蔭にかくれて、しばらく彼方の様子を窺っていた。
七
覚明はその時、叱られる子が、怖い親の姿を見たように、はっと、眸をすくめた。
「……なんといってお詫びしよう」