Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「フーム、ありそうなことだな。――そして?」
「わずかな隙に、犬が、吠えたので、善信の奴は、逸早く、おれの刃の先から逃げてしまった」
「追いついて、一太刀と行かなかったのか」
「それへも、犬のやつが、足や袖にからみついて邪魔するために、とうとう、逸してしまったのだ。――何とも残念でしようがない。そこで、忌々しい余りに、狂い犬を、斬ッて捨てたというわけだが、しかし、それからはなお怏々として胸が晴れない。聞けば、善信は、あれから間もなく、またこの都へ帰っているそうだな」
「いるとも。――岡崎の草庵で、妻の玉日と、人も羨む生活をしている」
「まあいい」弁円は慰めるように、
「そのうちに、またよい機もあろうて。――ところで四郎、あの松原の高札を読んだか」
「読んだ」
「おぬしなどは、この洛中洛外はおろか、およそひろい世間のことは闇の裏まで知っている職業だから、あんなことは、造作もなく分っているのだろうな」
「松虫と鈴虫の行方のことか」
「そうだ」
「いくら闇夜を働いている盗賊でも、そんなことはわからねえよ。分っていれば、すぐ院の衛府へ駈けつけて、褒美の黄金にありつこうというもんじゃねえか。