Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
だが、民衆は、まだ耳をかさなかった。笛ふけど踊らず、民衆の批判のほうが、遥かにもう進んでいたのである。
*
今――眠ろうとしていたところであった。破れんばかりに戸を叩いて、
「お二人っ! 起きていますか。――住蓮と安楽です。すぐ、すぐに! 逃げる支度をしてください、逃げる支度を」まるで、山海嘯のような、不意であった。
松虫と鈴虫は、
「アッ……」と全身を凍らせた。だが、松虫はさすがに年上であった。
「あわててはいけません」わざと静かに、こうなだめて、咄嗟に身仕度をし、足ごしらえまでして戸を開けた。
その時のほうが、彼女はぎょっとした。いつも暗澹と樹々の風ばかりしている山裾のほうが、真っ赤なのである。そこらの樹木の一本一本がかぞえられて、葉や幹の下草までが、赤い火光にかがやいているではないか。
「火事ですか」
住蓮と安楽は、小屋のうしろで突く這っていた。岩清水へ口をつけて吸っているのである。濡れた顔のまま、
「さ! 逃げるんです」と、いった。
「あの火事は、法勝寺ですか」
「火事だけなら、こんなにあわてはしません。衛府の者がやって来たのです。とうとうやって来た! 何十人という捕吏を連れて――」