Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
「あはははっ……。口で唱える念仏の声は禁じても、心のうちで唱える念仏を停められようか。ばかなッ!」と、人も無げに罵って、
「――輪王位高けれど、七宝永くとどまらず。世は末だ! 澆季澆季」泣くように、月へさけんで、悠々と歩みをつづけて行く。
「やっ、何奴だ」判官末貞は、その声を聞いて、
「捕えろッ」と呶鳴った。
その叱咤を、後ろ耳で聞きながら、先へゆく法師はまだ足も早めず、大きな声に抑揚をつけて慷慨の語気を詩のように呶鳴りつづけていた。
「――天上楽しみ多けれど、五衰早くも現じける。五衰早くも現じける……」そして、腹の底から、二声――
南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏
「待てッ!」と、武士たちが、槍をおどらして追いかけると、
「わしか」と、法師はくわっと炬のような眼を振り向けた。
七
躍りかかって、有無をいわせず縄を打とうとした判官末貞の部下も、振向いた僧の一喝と、その眼光にはっと足をすくめて、
「待ちおろうっ」と、距離をおいて取り囲んだ。僧は、笑って、
「待っているではないか。何用じゃ」
「おのれ、そこの御高札を見ぬか、いや、辻々の掲示はもちろん、あれほど、厳しゅう官より布令てある念仏停止のことを知らぬのか」