Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

生信房は、ザブザブと腰の辺まで水に入って、湖をすべってゆく流人船へ手を振りあげた。

机にふる雪

一

ひゅうっ――と風の翔けてゆくたびに、万樹は、身ぶるいをし、木の葉が、雨のように天地に舞う。

日が暮れると、裏日本の海は、漆のような闇につつまれるが、月のある夜は、物凄い青味をもって、ここの廂の下から望まれるのであった。

「曇ってきたなあ」弟子のひとりは、あまりの淋しさに、声を出してこういった。

庵室の中で、しきりと、さっきから燧打石を摩っていたべつな僧が、舌打ちして、

「だめだ、いくら骨を折って、明りを燈そうとしても、こう風がひどくては、ひとときも灯が持っていやしない」

「やめたがいいだろう」

「でも……闇では」

「そのうちに、月がのぼるよ。――月明りで間に合せておいたほうがいい」

「ところが、あいにくと、今夜は時雨雲だ」

「この庵の北口が、垂れ薦でなく、せめてどんなでもよいから板戸であったら、風も防げるし、夜もすこしは暖かに眠れるのだがなあ……」

「もう夏のころから、願書を出してあるが、あの依怙地な代官の萩原年景が、今もって、許すとはいわぬ。――これでは獄舎よりもひどい住居じゃ」