Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
このうえとも、その心を、忘れてくださるな」と、手をとって、わが子がよいことをした折によろこぶ母のように、善信はよろこぶのであった。
「はい……」生信房は、眼が熱くなった。どうしてこのごろは、こう涙っぽくなったのかと自分でも思う。しかし、その涙は、ただごとの涙とも思われない。
(――随喜)それだ、随喜の涙である。生信房は、涙にまたたきながらそう思った。
「そこで――わしもこの間うちから考えていたが」と、今日はいとも寛いだていで善信は何か述懐しようとするらしい、眼をふさいで、空へ顔を上げていたが、
「――善信。……これはわしの名だが、わしに取ってはなんとのう実しやかで、あまりに浄い名でもありすぎる。何かこのごろは、わしにはこの名がぴったりしないように思われてきたのじゃ。――やがて年も四十の坂にちかいのでの、三十九歳となったこの身に、なにやら、心にも変化が起ってきたのかも知れん。――とにかく、善信は、わしをあらわすには、ふさわしい名でないように思う」めずらしいことを話し出される――と生信房は、師の顔を見て、
「そうでしょうか。私などには、すこしもそんな気はいたしませぬが」