轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんらん

親鸞

吉川 英治

「名古屋新聞」1934(昭和9)年9月28日~1935(昭和10)年8月9日、1936(昭和11)年1月19日~8月<br>「台湾日日新報 夕刊」1934(昭和9)年9月30日~1935(昭和10)年8月12日、1936(昭和11)年1月7日~8月4日<br>「京城日報」1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年8月、1936(昭和11)年1月10日~8月<br>「神戸新聞」1936(昭和11)年1月5日~8月6日<br>「福日新聞」「北海タイムス」1935(昭和10)年9月~1936(昭和11)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 566,138 字 · 1127 页

青空文庫

四

何の怪しいふしも発見できなかった。だが、弁円は、干飯を噛みながらも、そこを去らなかった。

なぜならば、一人が病気のためと触れているのに、住蓮も安楽も健在でそこにいることを確かめたからだった。

「臭い。どうもここよりほかにない。見ておれ、今にあばいてやるから」彼の執着心というものは幼少からの持ち前といっていい。思いこんだことにはどんな蹉跌があろうと屈しないのだ。それは彼が寿童丸とよばれた昔から持っている善信(親鸞)への呪詛と報復とを、今になっても金輪際捨てていない異常な粘り方と根気を見てもわかるのである。

「おや……誰か出てゆくぞ……こんな深夜に」四日目の晩だった。法勝寺の裏にひそんでいた弁円は、星明りの下に一つの人影を見つけた。頭から衣をかぶっていてよくわからないが住蓮らしい背かっこうである。

尾行てゆくと、麓へではなく、住蓮は鹿ヶ谷からなお上の山路へ一人で登って行くのだった。手になにやら包みを提げている。非常にあたりを憚るような挙動なのだ。

(しめた!)という気持が弁円の胸をいっぱいに躍らせていた。勿論、住蓮はそういう犬がついて来るとは知るよしもなかった。