轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页
『…………』
神崎与五郎と、堀部安兵衛は、遠くから、その場をさしのぞいて、
(さすがに、わが君)
欣しくもあり、主人の気持も察して、胸がいっぱいになった。神崎の瞼を見れば赤いし、安兵衛の眸を見れば熱いものがうるんでいた。二人共、昨夜は、納戸頭奥田孫太夫たちと共に、什器諸道具を、鉄砲洲のお蔵から徹夜で運んで、一睡もして居ないのであった。
午刻の食事がすんで、廊下を、続々と、空の膳部が下がってくる頃、品川まで出迎えに出た老中土屋相模守をはじめ、その以下の諸侯が、駕、馬を、伝奏屋敷の門に埃が立つほど、改めて、御機嫌うかがいに来ては、戻って行った。
高家の一人、畠山民部も見えた。
『お支度、見事でござる。七日の御辛労は、たいていな事では御座らぬ。内匠頭殿のお体を、大事にして上げられい』
民部は、浅野家の家来たちを犒ってすぐ帰った。彼を送って出た奥田孫太夫は、老年なので、
『忝のうござる。主人は、至って健やかな質でござる故、その辺はわれ等も心づよく、働けますし、式事は、吉良殿が御親切におさしず下さります故、お蔭をもって、万端、整いましてござりまする』
ほろりとしながらも、何度も、繰返して謝辞を述べた。