轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页

青空文庫

内匠頭は、謹んで読み返していた。然し、この七日間の日割などは、高家から示されなくとも、当然拝命の日に、閣老から通牒が来ているのであって、自分の知らない事ではなかった。けれど、上野介の好意に対して、初めて承知したように、黙読した迄であった。

『他には』

と、それを終って、訊ねると、

『左様さ……』

と、上野介は、勿体らしく云った。

『勅使、御逗留中は日々、御進物を怠らぬことだな。音物をじゃよ。何事も、口さきよりは、実意が肝要よの。心得て居られるか』

じろっと、顔を見て云った。内匠頭には、それすら、解けなかった。

礼を述べて、やがて立ち帰った。然し、勅使に、毎日進物を贈れという指図は、どうも解せない事と、頭にのこった。

月番老中の土屋相模守へ、念のため、問合せてみると、

『左様な前例はない。何か、聞き違えであろう』

と、いう返辞。

内匠頭は、自分の潔白な解釈に、信念を与えられたように、

『そうであろ。そうなくてはならん』

と、頷いた。

高家の吉良殿が云いだした事だと、その後、何処かでその話が、ちらと、上野介の耳に触った。

上野介は、肉の薄いこめかみに、青すじを太らせた。