轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页
三太夫の眉も話すうちに昂っていた。
『えっ、では、大夫も起つと仰せたか』
『もちろん。――即刻、山科をひき払って、東海道を御下向のお支度、もう、かかって居られる』
『真でござるか』
『たれが、戯れに、かかる事を』
『唯七っ』
両人は、手をとって、泣かないばかりだった。
源吾が帰って来た。
ふだん静かなのに似ず、これも、昂奮をいろに湛えている。すべては今、出先の寺井玄渓の家で聞いて来たという。
『すまない、……済まなかった……』
安兵衛は、山科のほうへ向って、手をつかえた。翌る朝はすぐ山科へあいさつに行こうと云う。然し遽に、同志のうごきが変化することは面白くない。お指図のある迄、じっとしておれ、それが源吾の意見であった。
× × ×
内蔵助の密旨をうけて、横川勘平が、江戸表へ立ってから間もない日。
円山、重阿弥の寮に、在京の同志が、日を約して集まった。――誰もが、平常、あれはと思う者はみんな来た。来まいと思っていた者は、案の定見えない。いつの間にか、お互の心と心とは、この一年に、偽れないものとなっていた。かなり偽面を被っていた者も、この日には、もうその姿をあらわさなかったのである。