Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「あ……。性善坊どのだな」行く先は、分っているので、自分は遅れて後から追いつくつもりであったが、範宴たち二人が自分を待っているとすれば、これは、済まないことをしたと思った。にわかに、立ち上がって、

「おうーい」と、下からも、峰の中腹を見上げて答えた。

そして、崖道を、攀じながら、元の所へのぼってゆくと、性善坊はそこへ駈けてきて、

「孤雲どの。よろこばしいことがあるぞ」

「え?」唐突なので、眼をしばたたいていると、性善坊は、はや口に、そこの土牢の中にいる若い僧こそ、寿童丸であると告げて、

「わし達は一足先に無動寺へ参っておるから、ゆるりと、旧主にお目にかかって、ようく、不心得を、諭してあげたがよい」といい残して、立ち去った。

範宴と性善坊の姿が、山蔭にかくれるまで、孤雲は、茫然と見送っていた。半信半疑なのである。自分が多年探している寿童丸が、ついそこの土牢の中にいるなどとは、どうしても、信じられないことだった。

ふと見ると、なるほど、土牢の口が見える。高札が立っている。――彼は、怖々と、やがてその前へ近づいて行った。

七

「おうっ――」孤雲は、土牢の口へ、われを忘れて飛びついていた。