Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
白磁を砕く
一
範宴はありありとそれを感じる。この二、三日の頭の鈍痛などがその一例である。夜の熟睡を久しく知らないのもその現象である。眸の裏がいつも熱い、思索力はすっかり乱れてしまった。これが自分かと改めて見直すほどいろいろな変化が肉体に見出されるのだった。
(この叛逆に負けては)と、強く意思してみる。しかし数日前の月輪家の招宴から帰った後の状態はさらに悪くなっている、刻々と、意思は蝕まれ、信念は敗地へ追いつめられて行く、どうしようもない本能の圧す力である。
ぼんやりと空虚なものが今日も彼を坐らせていた、他人が見たらどんな鈍い眸をしているだろうと、自身ですらも思う。で、病気と誰にもいってある、来訪者にも勿論会うことは避け通しているし、第一仏陀の前に出ることが怖かった。朝の勤行だけは欠かせないものと本堂に坐るのであるが、面をあげて仏陀の顔を仰ぎ得ないのだ。やましいものの塊りのように、自分をそこに置いているに耐えられなくなる。
(ご無理をなされてはいけません、どうぞ、ご病床にいて下さい。あなた様お一人のお体ではない、幾多の学徒や衆生の信望を負って、師とも、光とも、仰ぎ慕われていらっしゃるおん身。