Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
よしっ! 俺はやる! 俺は、身を挺して、この奸僧を追わねばならぬ使命をうけている!」何事か、決意したように、弁円は強くつぶやいた。
すると――満身をつつむ彼の毒炎に水をそそぎかけるように、暗い河原のどこかで淙々と、琵琶の音がながれてきた。
五
眠ろうと努めてさえ眠れないでいる所へ、耳近くで、琵琶を掻鳴らされては、なおさら眠れようはずがない。
弁円は、横になりかけたが、憤ッと、身を起して、
「やかましいっ」と、音のするほうへ、呶鳴りつけた。しかし、琵琶は、やまない。超然と、平家を謡っているのである。
「やめんかっ」といって、つづけざまに、
「こら、乞食法師!」と、罵った。
すると――はたと、撥をおいて、
「なんじゃの、山伏どの」と、彼方でいう。
「眠りの邪魔になるからやめろというのに、聞えないか」弁円が、権ぺいに叱ると、
「ここは眠る場所ではありませんが」と、琵琶法師も負けずにいい返す。
弁円は、いよいよ業を沸やして、
「では、琵琶を弾く場所か」
「興がわけば、琵琶はどこででも弾くのです。しかし、眠りは、そういうものではありません。人間の起居には、おのずから、嗜みというものがあるはずです」