Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
五
「いや、待ちたまえ」一人が、頭を振った。
「上人は、ああして揺るがぬおすがたはしているが、なにもかも、ご存じあるにちがいない。なまなか、吾々が参って、顔に血をのぼせたりすることは、かえって、上人にご心配を加えるようなことになる」
「では、叡山のなすままに、吾々は、じっと自滅を待っているのか」
「そうもなるまい」若い弟子たちは、なにかささやき合って、禅房の外へ出て行った。そして裏の森にかたまったのは、この不穏な空気を上人に感じさせて、さなきだに近ごろ健康のすぐれない法然に胸を傷ましめまいという師弟の思いやりからであった。
「どうする?」そこで再び前の問題を評議に上せて、人々は、もう憚るところのない声でいい合った。
「いったい、叡山の凡衆どもは、何を原因にして、この吉水を、そんなに敵視しているのか」
「知れているじゃないか、嫉妬――ただ嫉妬にすぎないのだ」
「人を救おうという者が。しかも、千年の伝統と、あの巨きな権力をもつ叡山が。――考えられないことだ」
「それは、人間の感情というものを外においてのことで、叡山の者にも、感情はあるから、近年の吉水と、自分たちの蟠踞している叡山と、どっちが社会に支持されているか、較べてみれば、おのずから焦々せずにはおられまい」