Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

と、腕白少年は、しつこい。

「輦を進りながら話しましょう」

「待て待て」少年は、首を振って、

「話を先にせい」

「ちと、驚きましたので、落着きませぬと、お話ができません。……七郎めも、たくさんな童を知っておりますが、あんな童は、見たことがありません」

「それみい。面白うないというが、庄司七郎ほどな侍を、そう驚かしたことなら面白いにちがいない。――何じゃ一体、あの童は?」

「どこぞ、この辺りの麿でござりましょう。私が、近づいて窺っているのも知らず、一念に、三体の弥陀の像を土で作っているのでございます」

「なアンじゃ」少年は、赤い口で嘲笑った。

「馬鹿よのう、そんなことに、驚いたのか」

「いえいえ、さようなことに、庄司七郎は、驚きはしませぬ。……やがて、誦念いたしている姿の気だかさに驚きました。衝たれたのでございます。何か、こう五体がしびれるように思いました。ちる梅花も、樹洩れ陽も、土の香から燃える陽炎も、真の御仏をつつむ後光のように見えました」

「ふむ……」

「凡の和子ではございません。作られている三体の御像の非凡さ、容子のつつましさ」

「ふーむ……」

「世の中に、あんな和子もあるものかと、ほとほと感服いたしました」