Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「お酒はもうございませぬ、それよりも、もうお寝みなさいませ」臥床へ夜具をしきかけると、その顔をかすめて、いきなり一枚の小皿が飛んできた。小皿は、幸いに彼女の顔へはあたらなかったが、うしろの壁へぶつかって、烈しい音と共に、粉になって砕けた。

「この嘘つきめ」と、平次郎は険しい顔を向けてわめいた。

お吉は、何を怒られたのかちょっとわからなかった。その、呆っ気にとられたような顔がまた、酒乱の良人の気持をさらに焦だてたものらしく、

「たった今、いくらでも酒は買ってあるから安心して飲めと吐かしやがって、もう無えとは、なんのいい草だ」突っ立ってくると、何を云いわけする間もなかった。もっとも、こんな場合、云いわけをすることは、よけいに良人の兇暴癖を募らせるものであることもお吉はよく知っている。

「畜生っ」黒髪をつかんで、平次郎は妻の体を前へぐっと引いた。そして、左右に振り廻したと思うと、烈しく、平手で妻の横顔をなぐった。

「……あっ、か、かんにんして下さい」

お吉は、それだけしかいわなかった。平次郎は、睨めすえて、

「すべためッ」自身も息がきれたのであろう、肩で大きく息を吐いて、しばらく、拳をかためていたが、酔いにたえかねたものとみえ、彼女の敷きかけている蒲団のうえに斃れると、そのまま、野獣のように、大きな鼾をかいて眠ってしまっ