Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
ひとつその破戒坊主の範宴をさがし出して、うんと強請ってやったらどうでしょう」
「ほんとか、その話は」
「懸値はありません」
「こいつは金になる。ならなかったら範宴のやつを素裸にして、都大路へ曝し物にして曳き出し、いつぞやの腹癒せをしてやろう」
それから数日の間、ここに巣くう悪の一群は、毎日、範宴の居所と、噂の実相をさぐることに交る交る出あるいていた。
五
「おウい、一休みやろうじゃないか」谷へ向って一人が呼ぶ。
「おウいっ」そこから声が湧いた。
四、五人の若い学僧だ。雪が解けたので、この冬籠りのうちに焚き尽くして乏しくなった薪を採りに出てきたのである。雪に折れた枯れ枝や四明颪しに吹かれた松葉が沢にも崖にも埋まっていた。その谷間はようやく浅い春が訪れてきて、谷川の裾の方には鶯子啼きが聞え、樹々はほの紅い芽を点じてはいるが、ふり仰ぐと、鞍馬の奥の峰の肩にも、四明ヶ岳のふかい襞にも、まだ残雪が白かった。
「やあ、ここは暖かい」南向きの谷崖へ、学僧たちは薪の束を担いあげて車座になった。太陽の温みを持っている山芝が人々の腰を暖かに囲んだ。
「長い冬だったなあ」
「やっと、俺たちに春が来た」