Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
十
(あれは、奴らの戦術だぞ)という者があり、また、
(吉水の念仏者たちは、いよいよ結束して、信仰をかためているし、外部の門徒たちも、なお殖えるような勢いにある)と聞くと、
(それは捨ておけぬ)ふたたび持ち前の嫉視を向け、弾圧、迫害、誹謗、あらゆる反動を煽って、とうとう、朝廷へ向って「念仏停止」の訴えを起した。
一方――栂尾の明慧上人が、学理の上から、法然の「選択本願念仏集」やその他の教理を反駁して、大きな輿論を学界によび起しているので、
(今だ)
(この図に乗って、打っ倒せ)と、呼応して出た形もある。
社会の眼もまた、
(いよいよ念仏門の受難が来た)と、吉水禅房の無事を危ぶんで、どうなることかと、不安な予感を抱いて、この大きな二大思潮の正面衝突をながめていた。
事実――吉水のうちの頼もしげな高足たちの間にすら、徐々と、その動揺をうける者があって、
「近ごろは、誰の顔が少しも見えんが」と囁き合っていると、その囁きをなした者が、翌る日は、
「しばらく、郷里へ帰って、故山で信仰と勉学にいそしみたいと思いますが」とか、
「国元の老いたる親どもが、にわかに、病気の由ゆえ」とか、口実を構えて、吉水を去ってゆく者が、日に幾人かずつ出てくるような有様であった。