Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme

Aozora Bunko

「お気の毒だが、出てもらおう、この山荘を」

「えっ、追い出すのか」

「そうではない、どこか他のまったく人の気づかぬ所へ、そっと、夜陰にでも、移っていただくのだ」

二

希望の光明に燃えて、御所を脱けだした鈴虫の局であった、また松虫の局であった。

――だが、二人がじっと半月も住んでいた狭い部屋は、明りも入らない冷たい部屋だった。

「どうか、髪を剃してくださいませ。髪を剃してしまえば、もう御所へもどれといっても、戻ることはできませぬ」二人は、住蓮と安楽房に、何度もせがむのであった。だが、さすがに、一方はそういう決心もつきかねていた。

「何か、ご用事を、いいつけて下さい。――働きたいのです、どんな辛い水仕事でもしたいのです」これも、彼女たちが、幾度も願うところだったが、

「滅相もない」と、安楽房がいい、

「――もうしばらくは、ここにじっと隠れておらねば」と、住蓮もたしなめた。しかし、日が経つほど、世間はうわさを忘れても、その筋の探索はきびしくなるばかりである。

「いつになったら」と、闇の小鳥のような眼をして鈴虫と松虫は、そこにすくみ合っていた。

「もし……」閉めてある妻戸の境で、人の跫音がとまった。