Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
二
「心得た」
「――では、後を楽しもう」
「応」弁円とわかれて、法師たちは山へ走った。
彼らがもどってくることを、もう中腹の寺々では待っていた。
一人が聞くと、先へ走って行って、一人へ伝える。その者がまた、次の者へ伝える。わずかなうちに、このことは、一山のうちに知れていた。
「いよいよ念仏門の滅亡の日も近づいた」
と、人々は暗黙のうちに、叡山天台の独り誇り得る時代が来ることを祝福して、法敵吉水へやがて襲うであろうところの暗風黒雨を想像し、
「こんどは、ちと烈しいぞ。いくら強情な法然でも、善信でも、致命的な悲鳴をあげるにちがいない」いかに吉水禅房の人々がそれに処すか――見ものであろうなどという言葉は、かなり長老といわれ碩学といわれている者の口からも洩れた。
「好機。ここを外すな」叡山はまた、鳴動しだした。
そういう裏面のことなどは元よりおくびにも出すのではない。例の打倒念仏の理論をかかげて、洛中へあふれ出した。
南都も、それを伝え聞いて起った。彼らは、朝廷へ向って、再び、
「念仏停止願文」
をさし出すと共に、辻に立ち、寺に立ち、檄を貼り、声をからして、念仏門を誂謗した、批判という中正は元々欠いているのだ、ただ、念仏を仆せ、法然を追え、善信を葬れ――とさけぶ。