Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
だが、心のうちでは、念仏を思わないものはなかった。声に出せないので、胸のうちでとなえていた。
逢坂山の関へかかると、追立の役人たちは、役目をすまして、引返した。都からついて来た多くの人々も、思い思い別れの言葉を残して戻ってゆく。
大津へ着く。――船は帆を寝せて一行を待っていた。
性善坊も、民部も、すべての側近者もまた、いよいよここで師を捨てて帰らなければならなかった。
だが、太夫房覚明だけは、どこまでも師の善信に附随してゆきたいと、役人たちへ言い張って、とうとう願いを通してしまった。
「生信房は、どうしたろう」
彼は、初めから、師の給仕人として、お供をゆるされていたはずなのに、その姿が見あたらないので、人々は、いぶかっていた。
領送使の侍たちは、
「帆をあげい」猶予をゆるさなかった。
「さらば――さらば――」呼び交わす船と陸との間は、見るまに波の距離がひろがってゆく。
――すると、笈を背にして旅支度をした生信房が、息をきって後から追いついてきた。彼は、後に残った裏方の玉日をなぐさめていたために、輿の列におくれたのであった。
「待ってくれっ、オオウイ、その船待ってくれっ」