Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
机にふる雪
一
「しっ……あまり声高に何か申されぬがよい。番人の耳へでも入って代官の年景に告げ口されたら、これ以上、酷い所へ移されようも知れぬ」
松の――皮の付いたままの柱に、粗雑な茅を葺き、板壁は少部分で、出入口は裏も表も薦を垂れているに過ぎない。
雨でも降れば、廂の下の竹簀子は元よりのこと、奥の床まで吹きこむので、身の置き所もない庵室だった。
ここは、越後国の国府で竹内という土地だった。都から遠くながされてきた流人善信の師弟は、もう二年の歳月をここに送っていた。
領送使右衛門尉兼秋は、善信の一行をここへ送りとどけると、国府の代官萩原年景へ、当然、その身がらを渡して、すぐ都へ還ったのである。
(――飛んだ厄介者が来おった)年景は、つぶやいた。
越後の文化は、都と比較にならないほど遅れていた。したがって、人間は粗野であり、学問はうとまれ、ただ、権力だけが、なによりも絶対的な威力をもってものをいう。
代官の萩原年景は、その権力をここで握っている男だった。強慾でわがままで、都の顕官などよりは、はるかに威張っていた。
(なに、あれが噂にきいた、念仏僧の善信なのか。おれは念仏など大っ嫌いだ。