轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
「日の出」1935(昭和10)年1月号~1937(昭和12)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 337,181 字 · 676 页
――疑うわけじゃないが、何か、誓書を立ててもらいたいな。――いや、あなたの心意気だけでもよいが』
『誓書もかきましょう、指も切りましょう。善兵衛様、どんな事でもしますから』
『あなたの父親という人は、大工の棟梁だそうですね。――いつか右衛門七から聞いた事だが』
『ええ、吉良様へお出入りしている縁故で、私も、お小間使に上ったのでございます』
『じゃあこの春、吉良様の邸内では、土蔵の御修繕をやったり、御寝所やその他、だいぶ御普請直しの様子だったから、あなたのお父さんも、仕事に入っていたろうね』
『ええ長い事、仕事に通っておりました』
『そこで――と改まると、変に取るかも知れないが、実は私のお出入先のお屋敷で、吉良様は、有名な数寄者でいらっしゃるし、わけても普請道楽というお噂だが、いったい、お住居などの間取りはどんな凝り方か、御邸内の図面でもあったら見たいものだが――と仰しゃるお方があるのだ。……何かねお粂さん……その時の大工図面は、今でもお父さんの手許にあるのだろうな』
『さ……よく分りませんが、多分、いつでもそうですから、仕事が済むと、図面はお屋敷のほうへお返し申してしまうようです』