Japanische Klassiker mit Furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lesen Sie 親鸞 (しんらん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 566.138 Zeichen · 1127 Bildschirme
五
「また、来たぞ」一言で相手を刺したつもりであろう、こういって、陰性な笑みを唇にゆがめて見せる。
綽空はわずかに顎をひいて、友でも迎えるようにいった。
「上がらぬか」四郎の左右に、これは四郎よりさらに獰猛な人相をそろえて、山刀の柄をにぎったり、拳をかためたりして示威していた手下たちは、案に相違した対手の態度にやや張りあいを失って、頭領の顔と綽空のすがたを見くらべた。
「話がついてから上がろうじゃないか。もっとも、話がつかなけれや、俺たちは、当分、ここへご滞在となるかも知れねえが」四郎の嫌がらせは例によってモチのように粘る。
「わしに、話とは」と、綽空。
「とぼけるなっ!」と、ここで四郎は特有な声に凄味と張りを急に上げて――
「この前、飯室谷の大乗院で会った時に、いいおいた言葉を忘れはしまいが」
「うむ」
「ここのとこ、職業が不じるしで、久しくうめえ酒ものめず、乾あがりかけている始末。そこでおもいだしたのがおぬしだ、金が欲しい、金をもらいに来た」
「いつかも、答えおいた通り、僧門の身に、金はもたぬ、この庵にあるものなれば、何なりと持ってゆくがよい」
「いや、ないといわさん、おぬし、手紙を書け」