Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「それでかえって、この道場は強固になった。祇園藤次のような不届き者、南保余一兵衛のような臆病者、すべて恥を知らぬ腰抜けは自分から出て行ったがよい」
「武蔵へ書面をつかわす前に、一応はお兄上の耳へも」
「そのことなら、お前たちではだめだ、おれが行って話を決める」
兄弟のあいだに、この問題は、まだ十日前のままだった。あれ以来、どっちも自分の意見を曲げないのである。古参の者達は、また争いにならねばよいがと案じていたが、大きな声が洩れてくる様子もないので、さっそく武蔵に宛てて指定してやる二度目の場所や日取を膝ぐみで相談していた。
――と清十郎の居間から、
「おいっ、植田、御池、太田黒、ほかの者も、ちょっと顔をかしてくれ」
清十郎の声ではない。
顔をそろえて行って見ると、伝七郎が一人きりでぼんやり立っているではないか、こんな顔つきの彼を古参の者たちも初めてみた。伝七郎の眼は泣きかけているのだった。
「見てくれ――みんな」
手にひろげていた兄の置手紙を一同へ示して、伝七郎は言葉では怒っていた。
「兄貴のやつ、おれに向ってまた、こんな長たらしい意見手紙を書き、これを残して家出してしまった。