Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

二

おいらも今、ちまきを食べたら支度するから、お通さんもすぐ支度をおしよ。――直ぐ行こう、これから訪ねて行こう、無動寺へ」

二

じっと、お通のひとみは、あらぬ方へ向いている。庵の廂ごしに見える空へ心を遠くしているのである。

城太郎は、ちまきを食べ、持つ物を身に持つと、再び、

「さ。行こうよ」

と、促した。

だが、お通が起つ気色もなく、いつまでも、坐っているので、

「どうしたんだい?」

やや不満と不平をあらわして問い詰めた。

「城太さん、無動寺へ行くのは、止しましょう」

「ヘエ?」

少し、おひゃらかすように、城太郎は不審を口に尖らして、

「なぜさ」

「なぜでも」

「ちぇッ、女って、これだから嫌になっちまう。飛んでも行きたいくせにして、さあ、その人のいる所が分ったとなると、今度はヘンてこに澄まして、止そうのなんのとしぶくるんだもの」

「城太さんのいう通り、飛んでも行きたいほどですけれど」

「だから、飛んで行こうというのに」

「けれど。……けれどね、城太さん。わたしはいつぞや瓜生山で、武蔵様とお目にかかった時、これが今生の最後だと思って、ありッたけな心の裡を話してしまいました。