Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
五
船ばし様が、待ちわびているというて、吉野をこれへ連れて来ておくりゃれ。――つれてきたら褒美をやるぞよ」
五
その、りん弥という禿は、まだ十か十一ぐらいだったが、もう人の目につく天麗の質を持っていて、やがての二代目吉野に擬せられている童女だった。
「よいか、分ったか」
紹由のいうことばを、分ったような分らないような顔をして聞いていたが、
「はい」
素直に、つぶらな眼でうなずいて、廊下へ出て行った。
後ろの障子を閉めて、廊下へ立つと、りん弥はすぐ大きな声を弾ませて、手をたたいた。
「采女さん、珠水さん、糸之助さん。――ちょっと、ちょっと!」
部屋の中の禿はみな、
「なアに?」
――明るい障子明りをうしろにして、そこに立ち並ぶと、禿たちは、りん弥といっしょに皆手を打ちたたいて、
「あら、あら」
「あら!」
「まあ!」
余りに部屋の外で、歓呼の足踏みが鳴るので、部屋の中で酒をのんでいる大人たちも、なにごとかと羨望に似た気持をおこして、
「なにを、はしゃいでいるのじゃ――開けてみなさい」
紹由のことばに、
「お開けいたしますか」
女たちが、そこの障子を左右へひろく開け放った。