Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
四
と、飲ませたがる。
それが、度重なってくると、だんだん言葉もぞんざいになって、
「小菩薩太夫、その息子に一つ飲ませてやってくれ。これ飲まぬか息子」
「いただいています」
と、武蔵は、そんな時に返辞でもするのでなければ、口をきく折が見出せなかった。
「すこしも杯があかないではないか。はてはて意気地のない」
「弱いのです」
「弱いのは、剣術じゃろう」
と、ひどい皮肉をいう。
武蔵は、笑って、
「そうかもしれません」
「酒をのむと、修行の妨げになる。酒をのむと、常の修養が乱れる。酒をのむと、意思が弱くなる。酒をのむと、立身がおぼつかない。――などと考えてござるなら、お前さんは、大したものになれない」
「そんなことは考えておりませぬが、ただ一つ、困ることがあるのです」
「なんじゃな、それは」
「眠くなってしまうことです」
「眠くなったら、ここでも、どこへでも、寝てしもうたがよいではないか。そんな義理を立てるすじは毛頭いらん沙汰じゃ」
といって、
「太夫」
と墨菊太夫へいった。
「この息子、飲むと眠くなるのが怖いというておる。それでもわしは飲ませてしまうから、眠くなったら、寝かせてやってくだされよ」