Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
三
腰きりの野良着に、泥まみれな脚絆を穿き、一本の野差刀を腰にぶちこんでいるが、丸っこい顔に、そそけ立つ髪の毛を、眼尻あがりに藁でつかね、背は五尺五寸に足るまいが、胸の肉づきといい、足腰のよく地にすわっている動きといい、一見、
(こいつ曲者)
と感じないでいられないものを武蔵は先に見ていたのである。
案のじょう、母屋には、百姓の持つべきでない薙刀などがある。そして、藺を敷いた床に人も見えず、ただ大きな炉の中に、ばちばちと松薪が燃え、その煙は、一つの窓からむうっと外へ吐き出されてくる。
「……あっ」
武蔵は、袂で口をおおったが、忽ち咽んで、怺えようとする程――咳をしてしまった。
「誰じゃ?」
厨の中で、老婆の声がした。武蔵が窓の下にかがみ込んでいると、炉部屋にはいって来たらしく、再びそこで、
「権之助っ。――小屋は閉めたか。また、粟泥棒がそこらへ来て、くさめをしておるぞよ」
三
――来たら幸い。
まずあの猪男を手捕りにして、お通をどこに隠したか詮議はそれからのことにしよう。
老婆の息子らしい勇猛そうなその男のほかに、いざとなれば、まだ二、三名の敵は飛び出すかも知れないが、彼さえ取ッちめれば、物の数ではない。