Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
三
男たちは、帳場寄りの部屋に、女郎たちは、中庭の向うの部屋に。
何しろ、賑やかを通り越して、姦しいこと一方でない。
「あしたはもう、歩けんがなあ」
と、大根のような白い足に、大根おろしを摺って、足の裏の火照りに塗ってもらっている傾城もある。
元気なのは、破れ三味線を借りて来て爪弾きをしているし、皮膚の青白いのは、もう夜の具を被いで、壁に向って寝こんでいる。
「おいしそうだね、あたいにも、よこしなよ」
と、喰べ物を引ッ張りっこ。――また、行燈とさし向いで、上方の空に残して来た契りある男へ、筆を走らせている苦界の後ろ姿もある。
「あしたはもう江戸とやらへ、着くのかえ」
「どうだかね。ここで訊けば、まだ十三里もあるってえもの」
「勿体ないね、夜の灯りを見ると、こうしているのは」
「おや、たいそう、親方思いだね」
「だって……。ああじれったい、髪の根がかゆくなった。釵をおかし」
こんな風景でも、京女郎衆と聞くからに、男の眼はそばだったのであろう。風呂場から上がった下男の助市は、湯ざめをするのも忘れて中庭の植込み越しに、いつまでも、見惚れていた。
すると、後ろから耳を引張って、